中国は優等生か
中国株が7月に入りより高くなってきました。代表的な上海株は3300台まで上がっています。
これはコロナ前の水準を遙かに抜けています。つまりコロナで落ちた分の300ポイントを倍返ししたような勢いで上昇しているわけです。
バリュー以上に高いといわれている米国株や欧州株のほうは、コロナ前のレベルまでには到達していません。
中国ではコロナウイルスの発信源だというだけでなく、香港問題もくすぶっています。
それが世界中の非難を浴びているところであり、しかるに外国からの投資も呼び込みにくい状態になっているはずです。
悪材料はコロナ後も噴出しており、最近では洪水が激しくなっています。
3000万人近くが避難しているとも言われ、武漢についていえば今度は洪水で外出禁止になっている地区もあるようです。
また南沙諸島の公海上で米中両軍が大規模演習を行っているものニュースにならないくらい悪材料が並んでいます。
それにも関わらずの株価ラリーなのですから、コロナによって失ってしまったGDPの分はもう目に入っていないのかもしれません。
ちなみにコロナ騒動で話題になり損ねたが、西アフリカで発生したバッタの大群が東海岸に達して、それがアラビア半島を渡ってインドにまで到達しています。
さらにこれがついにネパールにまで飛来したというのです。ヒマラヤ山脈を越えてきたものでしょうか。こうなるとチベットや雲南省にまで迫るのも現実味のない話しではありません。
史上最高値の米国株
7月に入ってからもナスダックが史上最高値を何度も更新してきており、一向に衰えを見せていません。
ナスダックのPERは32倍にも達しており、すでにバリューに比べると割高も行きすぎだという見解もあります。
先月まではテスラ株が3月の安値から2倍の値段にまで跳ね上がったといって市場を驚かせましたが、それがついに4倍にもなってきています。
トヨタ自動車の時価総額を追い抜いたことが話題となったわけですが、今となっては日本の自動車大手をすべて足し合わせてもかなわないという感じです。
テスラの販売台数は確かにめざましく伸びていますが、それでもまだ10万台レベルです。
これが10年後とかに2000万台などに膨らんでいるのでしょうか。
逆に言うと、世の中は自動運転と電気自動車が主流になって、トヨタの販売台数が10万台とかに下がってしまうということなのかということです。
だとするとトヨタの株価も一緒になって上がっているのも不思議になってしまいます。
コモディティ価格の上昇
金価格が史上最高値を更新してきました。これは10年前の2011年の9月以来ということになります。
ニュースなどでは安全資産として人気を博しているといわれているが、これはコロナ感染による安全志向ではありません。
安全を求めるための質への逃避ではないということです。安全を求めるのであれば、リスク性の高いものの代表である株価などは、大きく値下がっていないといけないからです。
つまりマーケットはまったく投資に不安を感じている状態ではなく、喜んでリスクをとっている環境なのです。
金のようにドル建てのコモディティが活況を呈するのは、ドル金利の低下によるものです。足下の短期金利がゼロであり、そのゼロ金利の状態が長くなりそうだということがFOMCで再確認されています。
通貨には金利がついているのですが、金には金利がついていません。同じ条件ならば通貨を選ぶところですが、金利がゼロならば相対的に金保有の魅力が高まるということです。
一方でドル金利の低下はドル保有の魅力を低減します。それは行為としてはドル売りにつながって、7月の為替相場ではドル安傾向が強まりました。
ドルインデックスという指数がありますが、これが2年ぶりの安値圏まで到達しました。
ドルインデックスの大部分を占める為替の王様であるユーロドルは値上がり、つまりドル安に弾みがついています。オマケにビットコンまで急上昇している始末です。