第18回 為替マーケットコラム 中国は優等生か

持田 有紀子のマーケットコラム「中国は優等生か」

中国は優等生か

中国株が7月に入りより高くなってきました。代表的な上海株は3300台まで上がっています。

これはコロナ前の水準を遙かに抜けています。つまりコロナで落ちた分の300ポイントを倍返ししたような勢いで上昇しているわけです。

バリュー以上に高いといわれている米国株や欧州株のほうは、コロナ前のレベルまでには到達していません。

今年の中国株

 

中国ではコロナウイルスの発信源だというだけでなく、香港問題もくすぶっています。

それが世界中の非難を浴びているところであり、しかるに外国からの投資も呼び込みにくい状態になっているはずです。

 

悪材料はコロナ後も噴出しており、最近では洪水が激しくなっています。

3000万人近くが避難しているとも言われ、武漢についていえば今度は洪水で外出禁止になっている地区もあるようです。

また南沙諸島の公海上で米中両軍が大規模演習を行っているものニュースにならないくらい悪材料が並んでいます。

 

 

それにも関わらずの株価ラリーなのですから、コロナによって失ってしまったGDPの分はもう目に入っていないのかもしれません。

ちなみにコロナ騒動で話題になり損ねたが、西アフリカで発生したバッタの大群が東海岸に達して、それがアラビア半島を渡ってインドにまで到達しています。

さらにこれがついにネパールにまで飛来したというのです。ヒマラヤ山脈を越えてきたものでしょうか。こうなるとチベットや雲南省にまで迫るのも現実味のない話しではありません。

 

史上最高値の米国株

7月に入ってからもナスダックが史上最高値を何度も更新してきており、一向に衰えを見せていません。

ナスダックのPERは32倍にも達しており、すでにバリューに比べると割高も行きすぎだという見解もあります。

 

先月まではテスラ株が3月の安値から2倍の値段にまで跳ね上がったといって市場を驚かせましたが、それがついに4倍にもなってきています。

トヨタ自動車の時価総額を追い抜いたことが話題となったわけですが、今となっては日本の自動車大手をすべて足し合わせてもかなわないという感じです。

 

テスラの販売台数は確かにめざましく伸びていますが、それでもまだ10万台レベルです。

これが10年後とかに2000万台などに膨らんでいるのでしょうか。

逆に言うと、世の中は自動運転と電気自動車が主流になって、トヨタの販売台数が10万台とかに下がってしまうということなのかということです。

だとするとトヨタの株価も一緒になって上がっているのも不思議になってしまいます。

今年のテスラ株

 

コモディティ価格の上昇

金価格が史上最高値を更新してきました。これは10年前の2011年の9月以来ということになります。

ニュースなどでは安全資産として人気を博しているといわれているが、これはコロナ感染による安全志向ではありません。

安全を求めるための質への逃避ではないということです。安全を求めるのであれば、リスク性の高いものの代表である株価などは、大きく値下がっていないといけないからです。

つまりマーケットはまったく投資に不安を感じている状態ではなく、喜んでリスクをとっている環境なのです。

 

金のようにドル建てのコモディティが活況を呈するのは、ドル金利の低下によるものです。足下の短期金利がゼロであり、そのゼロ金利の状態が長くなりそうだということがFOMCで再確認されています。

通貨には金利がついているのですが、金には金利がついていません。同じ条件ならば通貨を選ぶところですが、金利がゼロならば相対的に金保有の魅力が高まるということです。

 

一方でドル金利の低下はドル保有の魅力を低減します。それは行為としてはドル売りにつながって、7月の為替相場ではドル安傾向が強まりました。

ドルインデックスという指数がありますが、これが2年ぶりの安値圏まで到達しました。

ドルインデックスの大部分を占める為替の王様であるユーロドルは値上がり、つまりドル安に弾みがついています。オマケにビットコンまで急上昇している始末です。
今年のユーロドル

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持田 有紀子

持田 有紀子

<略歴>
慶応義塾大学法学部政治学科卒。国際政治及び東アジアの地域研究を専攻。

同大新聞研究所(現メディア・コミュニケーション研究所)修了。

野村証券入社。エクイティ部門の日本株トレーダーやワラント債、オプション課、営業課など。その後は人事コンサルティングの分野でも活動し、行動科学や心理学に基づく人事評価のモデルの開発等に携わる。

21世紀に入って起業した後は、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を活用した投資情報の提供、セミナー講師、海外ファンドの運用、トレード塾の運営などを手がける。


<著作物>

「外国為替取引(FX)はこうして稼ぐ」 明日香出版

「日経225/日経225ミニ 日経先物取引の戦い方」 明日香出版社

「FX 練習帳」 実業之日本社 「夜の外国市場で儲けるテクニック」 明日香出版社

「FX 最強投資術」 実業之日本社 「利確と損切りのタイミングを読む」明日香出版社

「学校では教えてくれない投資と金融の授業」 明日香出版社


<連載コラム>

ザイFX「戦う女のマーケット日記」(ダイヤモンド社)
http://zai.diamond.jp/list/fxcolumn/mochida


<持田有紀子公式ブログ>

http://ameblo.jp/mochidayukikodesu/


<自己紹介>

野村證券の初期女性総合職としての兜村が、私の仕事の出発点でした。

金融マーケットに関わる人々やものごとの酸いも甘いも嚙み分けて、大規模な組織に属しない一個人でも、どうやったら戦い続けることができるのかを追求してきました。

金融マーケットへのアクセスは誰にでもかなり容易になった昨今、価値ある有意義な情報を一人でも多くの人に届けたいと考えています。

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