第19回 為替マーケットコラム グロース株が先行

為替マーケットコラム

グロース株が先行

株は実体で買うか、期待で買うのかという議論がよくなされます。

言い換えればバリューに従って買うのか、それとも足下は赤字であるのがわかっていても将来に利益が上がるのではないかを見越して先行買いするのか、ということです。

 

そうしたバリュー株かグロース株かの議論は、いまのところ、つまり目下のコロナ感染の拡大状況の中においては、期待先行のグロース株に軍配が上がっているようです。

これは世界中の代表的な株価指数を見てもそうなっていますし、またハイテク中心に編成されているナスダック指数のような値が吹き上がっているのでもわかります。

こうした流れが今後も継続するという保証はありませんが、少なくとも単純に割高だ、割安だといった議論に持ち込むのは危険でしょう。

ナスダック指数

 

ジャクソンホール

夏枯れの中でも少ないなかで、材料の一つとされていたのがFRBのパウエル議長のジャクソンホールの講演でした。

どこまで金融緩和に関して踏み込めるかが注目点であったのですが、予想通りに「インフレ率が若干、上振れても構わない」というスタンスを示しました。

 

雇用が徐々に回復していく過程での、多少の行きすぎには目をつぶるということです。

これを金融マーケットになぞらえると、短期金利は政策的にもゼロ金利に抑制しておくが、一時的に長期金利が2%を越えてきても構わないということです。

注意深く扱わないといけない長期金利なのですが、量的緩和の名目のもと、資産購入の対象とされてきた米国債も、ある程度の在庫調整は認めるということになります。

米長期金利の動き

 

安倍首相が辞意

安倍首相が辞意を表明しました。

夕方の記者会見は予定されていたものでしたが、それに先立つこと3時間ほど前でした。

最長の政権維持だと報じられた後の事だっただけに、若干のサプライズを持って迎えられました。

 

アベノミクスに関する評価はマチマチですが、それでも低金利を継続し、それに支えられて株価も上昇したことは事実です。

そのアベノミクスが終焉するということで、反動のリスクオフがマーケットに現れました。

 

日経先物は30分で800円ほど下落し、東京クローズにかけてその半分ほどを取り戻しました。

つまり一方的なポジション調整の展開にはならなかったわけです。

一方で低金利を充てにしていたドル円も調整するはずで、107円目前まで上がっていたドル円は1円幅の下げを演じ、ニューヨーク時間ではさらに下押しし、105円台の前半まで押し込まれています。

安倍首相の辞意

 

9月相場

今週は最高値を更新し続けている米国株の動向も重要ですが、長期債の値崩れのほうも可能性が高まりました。

米国債のほうはパウエル議長がインフレ率の一時的な上昇は目をつぶるとしたことで、長期金利に上昇の余地が大いにできたからです。

 

円債のほうはアベノミクス終了というセンチメントの悪化が、財政規律のほうに目を向けさせることにもなりそうだからです。

日銀総裁の更迭といった話しも出てくれば、円債相場の急落もありうるものと考えねばなりません。またそれはストレートな円買い要因につながります。

 

またアメリカの大統領選挙もいよいよ間近に迫ってきます。バイデン候補が有利だとリスクオフとなり、トランプ大統領が有利になるとリスクオンだとされています。

どちらが勝利するのかは予断を許しませんが、現職大統領の対抗馬が老齢のバイデン氏だということが自体の不透明感を増幅させています。

 

BLM運動も盛り上がってきており、国内の保守層がどのような投票行動に出るのかが鍵を握ることになりそうです。

候補者によるテレビ討論も始まりますが、コロナ禍のなかでリモートでやるのか、対面でやるのかまだわかりません。

いずれにしても大群衆を前にしたキャンペーンははばかられる情勢ではあります。

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持田 有紀子

持田 有紀子

<略歴>
慶応義塾大学法学部政治学科卒。国際政治及び東アジアの地域研究を専攻。

同大新聞研究所(現メディア・コミュニケーション研究所)修了。

野村証券入社。エクイティ部門の日本株トレーダーやワラント債、オプション課、営業課など。その後は人事コンサルティングの分野でも活動し、行動科学や心理学に基づく人事評価のモデルの開発等に携わる。

21世紀に入って起業した後は、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を活用した投資情報の提供、セミナー講師、海外ファンドの運用、トレード塾の運営などを手がける。


<著作物>

「外国為替取引(FX)はこうして稼ぐ」 明日香出版

「日経225/日経225ミニ 日経先物取引の戦い方」 明日香出版社

「FX 練習帳」 実業之日本社 「夜の外国市場で儲けるテクニック」 明日香出版社

「FX 最強投資術」 実業之日本社 「利確と損切りのタイミングを読む」明日香出版社

「学校では教えてくれない投資と金融の授業」 明日香出版社


<連載コラム>

ザイFX「戦う女のマーケット日記」(ダイヤモンド社)
http://zai.diamond.jp/list/fxcolumn/mochida


<持田有紀子公式ブログ>

http://ameblo.jp/mochidayukikodesu/


<自己紹介>

野村證券の初期女性総合職としての兜村が、私の仕事の出発点でした。

金融マーケットに関わる人々やものごとの酸いも甘いも嚙み分けて、大規模な組織に属しない一個人でも、どうやったら戦い続けることができるのかを追求してきました。

金融マーケットへのアクセスは誰にでもかなり容易になった昨今、価値ある有意義な情報を一人でも多くの人に届けたいと考えています。

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