第4回 為替マーケットコラム 2019年5月 ファンダメンタルズについて

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第4回 持田 有紀子の為替コラム

ファンダメンタルズについて

相場というのは上下動するものです。その動きを上手に捕らえて値幅を取りにいくのがトレーディングです。

そのためには相場への入り口と出口をある程度、見極めないといけません。そのアプローチの方法の一つとしてファンダメンタルズ分析があります。

ファンダメンタルズ分析といっても、その手法はいろいろあります。

しかし根底において共通しているのは、ファンダメンタルズは1日や2日では変わらないということです。

昨日は景気が良ければ、今日もそれなりに良いはずですよね。急激に悪くなるものではありません。

金利も上がっているときは数年にわたって上がり続けますし、下降局面ではずっと下がるのです。

ドルの長期金利の動き

昨日も今日も同じ環境だというのですから、金融商品は同じ方向でのみ攻めるというのがファンダメンタルズに基づいたアプローチです。

景気が悪いと判断できる間は、ずっと毎日、株をショートで攻めます。相場なのだから上がってしまって損切りさせられるときもあるでしょう。

それでも翌日はまたショートで入ります。そして環境が変化してしまったと十分に見通しが立ってくれば、その時こそポジションの方向を変えるのです。

ポジションをいつも同じ方向でしか作らないこと、これがファンダメンタルズを利用した取引手法なのです。

ですからファンダメンタルズに従ったトレーディングというのは、意外に実行するのは難しいものでもあります。

一喜一憂の相場展開

ファンダメンタルズを構成するのは、主に金融政策や政治、地政学的リスクなどです。

それらによって投資家のセンチメントは決定されて、そう簡単には変わるものではありません。

例えば米中の貿易戦争を考えてみましょう。これは2年も前から論じられてきたことです。

そして実際に追加関税が行われるなど、資本市場にとってはマイナス要因のことばかりです。

「知財権の保護で完全に合意」などという報道が出てくれば、市場のファンダメンタルズは激変するのですが、それも見られないままに「協議は進んでいる」とか「交渉は継続」という材料だけで期待ベースでリスクオンに向かうことが度々ありました。

それによって米国株の代表であるS&P先物などは、5月には日足ベースでは陰線になったり、陽線になったりと、どちらに行きたいのか、まったくわからない状況となってしまっています。

ファンダメンタルズ泣かせの状況なのです。
S&P先物の日足

どこまで下げるのか

 5月に入ってから毎日、コロコロと変わるリスク動向ですが、下旬になってようやく同じ方向へと傾くことが続くようになきました。

つまり下げてきているのです。5月1日に史上最高値をつけているので、このままだとセル・イン・メイで終わってしまいそうです。

下げてきたところで、次に気になるのはどこまで下げるのか、ということです。もっと下げるとしたら、どこまでかを考慮しておく必要があります。

S&P先物でみると、直近のもっとも下げたレベルというのは、昨年のクリスマス前後につけた安値である2316ポイントです。そこからの巻き戻しが5月初旬の2961ポイントです。つまり30%近い上昇を、この1月から4月までに演じたことになります。その半値は2638ポイントです。まだ2700ポイントの後半なので、半値押しですらしていません。ファンダメンタルズは変わっていないところから判断すると、まだ下げ余地はあるといえます。

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持田 有紀子

mochida

<略歴>
慶応義塾大学法学部政治学科卒。国際政治及び東アジアの地域研究を専攻。

同大新聞研究所(現メディア・コミュニケーション研究所)修了。

野村証券入社。エクイティ部門の日本株トレーダーやワラント債、オプション課、営業課など。その後は人事コンサルティングの分野でも活動し、行動科学や心理学に基づく人事評価のモデルの開発等に携わる。

21世紀に入って起業した後は、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を活用した投資情報の提供、セミナー講師、海外ファンドの運用、トレード塾の運営などを手がける。


<著作物>

「外国為替取引(FX)はこうして稼ぐ」 明日香出版

「日経225/日経225ミニ 日経先物取引の戦い方」 明日香出版社

「FX 練習帳」 実業之日本社 「夜の外国市場で儲けるテクニック」 明日香出版社

「FX 最強投資術」 実業之日本社 「利確と損切りのタイミングを読む」明日香出版社

「学校では教えてくれない投資と金融の授業」 明日香出版社


<連載コラム>

ザイFX「戦う女のマーケット日記」(ダイヤモンド社)
http://zai.diamond.jp/list/fxcolumn/mochida


<持田有紀子公式ブログ>

http://ameblo.jp/mochidayukikodesu/


<自己紹介>

野村證券の初期女性総合職としての兜村が、私の仕事の出発点でした。

金融マーケットに関わる人々やものごとの酸いも甘いも嚙み分けて、大規模な組織に属しない一個人でも、どうやったら戦い続けることができるのかを追求してきました。

金融マーケットへのアクセスは誰にでもかなり容易になった昨今、価値ある有意義な情報を一人でも多くの人に届けたいと考えています。

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