第9回 為替マーケットコラム 2019年10月 テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは

テクニカル分析とは

昨日の高値とか、5日平均移動といったテクニカル分析に利用されるデータは何を求めようとしているのでしょうか。

相場は1日の中でも上がったり下がったりするもので、上がるにしても無限に上がるわけではありません。どこかで上げ止まってしまうものでもあります。

 

そうした相場の引っかかりどころを探る作業がテクニカル分析の主要な眼目なのです。

こうした引っかかりどころをテクニカルポイントといいます。上げと下げがあるのだからテクニカルポイントには2種類あり、上サイドにあるものをレジスタンスといい、下サイドにあるものをサポートといいます。

 

ではなぜテクニカルポイントでは相場の動きが引っかかって止まってしまうのでしょうか。

簡単な例として「前日の高値」で見てみましょう。まずはどこかで売ってみようと思っている人はどうするでしょう。

 

同じ売るならば、できるだけ高いところで売りたいはずです。その際にはまずは前日の値段を参考にするはずです。

昨日の取引価格だったら、今日もあるだろうと考えるからです。しかるに前日の高値近辺では売りたい人が集まることになります。

 

また昨日は売ろうと思っていたが、自分の指値していたレベルまで相場が上がらなくて売れなかった人はどうするでしょうか。

やはり昨日の高値がどこまであったのかを確認して、その辺りまで指値を下げれば売れるかなと考えるはずです。

 

前日の高値という以上は、昨日の値動きの中で実際に取引された値段です。

市場参加者の誰かが確実に買ってしまった値段でもあります。

最も高いところをつかんでしまったのですから、失敗しているわけです。

 

もしも今も買ったポジションを持ってシコっているならば、何とかして逃げたいと考えるでしょう。

利食いの場合と違って、より切実です。上手く同値で売れれば、ブレークイーブンです。ですから相場が再び高値攻めした際には、前日に失敗した人の逃げたい意欲が集中してくることになります。

昨日の高値付近では

こうして前日の高値付近では多くの売りインタレストが集中してくることになり、簡単には上抜けできないことになります。

これは反対サイドの「昨日の安値」でも同様のことが起こっているので、やはり相場の引っかかりどころを形成することになります。

 

テクニカル分析の利用

テクニカル分析は相場の引っかかりどころを探る作業でした。

それを実際に動いている相場の中で活用するにはどのようにすればよいでしょうか。

 

引っかかると言うのですから、テクニカルポイントのちょっと手前で逆張りでポジションを作ればよいのです。

そしてテクニカルポイントを抜けたら即座にポジションをカットをして損切りするのです。損切りにかからないうちは、いつでも利益を狙える立場にあるというわけです。

 

昨日の高値に近づいてきたら、まずは売ってみてショートにします。昨日の高値をブレークしてしまえば、その時点で買い戻して損切りをします。

昨日の高値を越えない限りはショートポジションをキープできるわけで、どこまで下げるのかはマーケット次第ではあるが、少なくとも損失は少ないです。

 

テクニカル分析にはいろいろな種類が存在します。

すべてを使おうとすると、それは小刻みなトレードを強要されることになり、かえって使い勝手が悪くなります。

そこで重要なものだけをピックアップして使うことになります。

いろいろなテクニカルポイント

 

 まずは客観性の高いデータをテクニカルポイントとして使用するのがよいでしょう。

あまり加工された数字では、誰も知らないということになり、売買のインタレストが集まりにくくなります。相場が引っかからないのです。

簡単なものでよいのです。やはり「前日の高値」と「前日の安値」がベストです。これならば誰もが注目しており、データも入手しやすく、公示性も高いためです。

 

今年の最高値

テクニカル分析では長い時間に有効なものほど重要だとされています。

デイトレードでは「前日の高値」や「前日の安値」が使いやすいですが、大きな相場の流れをつかむためには「今年の高値」などのほうが重要になります。

 

現在、米国株は史上最高値をトライ中です。歴史的な、というくらいですからもっとも重要なのは言うまでもありません。それは同時に強力なレジスタンスを形作ることを意味します。

そう簡単には上抜けできないと考えるべきものです。

S&P先物の週足

 

 最近はドル円の上値の伸びがとても悪く感じます。

それは相関性の高い米国株などリスク性の高い金融商品が、最大のレジスタンスを目前に控えているためです。

自分の扱うポジションがドル円であっても、米国株が上抜けしてこない限りは安易に高値追いしていってはいけないのです。

 

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持田 有紀子

持田 有紀子

<略歴>
慶応義塾大学法学部政治学科卒。国際政治及び東アジアの地域研究を専攻。

同大新聞研究所(現メディア・コミュニケーション研究所)修了。

野村証券入社。エクイティ部門の日本株トレーダーやワラント債、オプション課、営業課など。その後は人事コンサルティングの分野でも活動し、行動科学や心理学に基づく人事評価のモデルの開発等に携わる。

21世紀に入って起業した後は、海外の先物市場や外国為替取引のノウハウの蓄積を活用した投資情報の提供、セミナー講師、海外ファンドの運用、トレード塾の運営などを手がける。


<著作物>

「外国為替取引(FX)はこうして稼ぐ」 明日香出版

「日経225/日経225ミニ 日経先物取引の戦い方」 明日香出版社

「FX 練習帳」 実業之日本社 「夜の外国市場で儲けるテクニック」 明日香出版社

「FX 最強投資術」 実業之日本社 「利確と損切りのタイミングを読む」明日香出版社

「学校では教えてくれない投資と金融の授業」 明日香出版社


<連載コラム>

ザイFX「戦う女のマーケット日記」(ダイヤモンド社)
http://zai.diamond.jp/list/fxcolumn/mochida


<持田有紀子公式ブログ>

http://ameblo.jp/mochidayukikodesu/


<自己紹介>

野村證券の初期女性総合職としての兜村が、私の仕事の出発点でした。

金融マーケットに関わる人々やものごとの酸いも甘いも嚙み分けて、大規模な組織に属しない一個人でも、どうやったら戦い続けることができるのかを追求してきました。

金融マーケットへのアクセスは誰にでもかなり容易になった昨今、価値ある有意義な情報を一人でも多くの人に届けたいと考えています。

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