





「スワップ」とは?スワップポイントとスワップ金利は同じ意味?
スワップ(swap)とは、英語で「交換する」という意味。
「フェイススワップ」という、写真で2人の顔を交換するアプリも流行りましたよね。
FX業界で「スワップ」と言ったら「スワップポイント」のことを指します。
FX初心者の場合、「スワップポイント」と「スワップ金利」を同義語だと勘違いしがちですが、実は同じ意味ではないのです。
「スワップ金利」とは、銀行などでお金を借りるときに使われる用語です。お金に対する金利を変更した際に適用される金利を意味します。
では、FXの「スワップポイント」とは一体どういうものなのでしょうか?
次の章からスワップポイントの仕組みや特徴について、FX初心者でも分かりやすいように解説していきますね。

FXの「スワップポイント」とは?
金利差を利用して毎日利益をGETできる!
FXは通貨の売り買いを繰り返して利益(為替差益)を得るイメージがありますが、それ以外にも利益を得る方法があるのです。
それが、このスワップポイント。別名「金利差調整分」とも呼ばれています。簡単に説明すると、2カ国間の金利差を利用して稼ぐ方法です。
もし日本円を高金利のNZドルに両替していたら…?
「金利差を利用して稼ぐ?どういうこと?」
例えば、日本の政策金利は0.10%。銀行にお金を預けていてもほとんど金利は付きません。
それに対して、ニュージーランド(NZドル)の政策金利は1.75%!日本の17倍以上も金利が高いのです。
スワップポイントは2カ国間の金利差で計算できます。よって、もし日本円を豪ドルに両替していたら、以下のスワップポイント(金利差調整分)が発生します。
NZドルで付く金利
1.75%(NZドルの金利) ー 0.10%(日本円の金利) =1.65%(年間で付く金利)
スワップポイントは、年間利益の日割り分の利益が毎日発生します。そのため、上の例では年利1.65%の日割り分が利益が毎日発生します。
金利差を現金で還元!ポイント3倍デーもある!
FXではポジションを保有している間、この金利差の調整分としてスワップポイントという形で毎日還元してくれるのです!
ちなみに「ポイント」という名称ですが、現金で還元されます。
そしてさらに、「ポイント3倍デー!」みたいな日も存在します。
毎週木曜日の朝7時(サマータイム中は朝6時)はニューヨーク市場が閉まる時期と重なる関係で、スワップポイントが通常の3倍加算されるのです!
「ニューヨーク市場が閉まる時期と重なる関係ってどういうこと?」と思った方もいるかもしれませんね。
ニューヨーク市場は土曜日と日曜日はお休みなので、日本時間の毎週木曜日の朝7時(サマータイム中は朝6時)でポジションを持っていると金曜日、土曜日、日曜日のスワップポイントが加算されるのです。
スワップポイントはあくまで金利差の調整分なので1回の金額はさほど大きくありませんが、たとえ少額でもお金を放置していて毎日利益が自動的に貯まっていったら結構嬉しいですよね。
若干歴史を感じますが(2011年公開)、こちらの「外為どっとコム」のYouTube動画にて、スワップポイントで利益が出る仕組みを解説してくれています。3分33秒の動画です。




超高金利!スワップポイント狙いで注目されている外貨TOP3

各国の政策金利は2018年2月調査時点のものです。
南アフリカランド(ZAR)
南アフリカランド(南アフリカ共和国の通貨)は、政策金利6.75%!
FXの取引画面では、通貨コードである「ZAR」と表記されています。
南アフリカはダイヤモンドや金の産地。金に関しては埋蔵量世界一です。
これまでは急激に経済発展しているブラジル(Brazil)・ロシア(Russia)・インド(India)・中国(China)の4か国を「BRICs」と表記していましたが、近年では南アフリカ(South Africa)を加わえた5か国を「BRICS」と表記することもあります。
もともと複数形を意味していた小文字のsが、南アフリカ(South Africa)が入ることで大文字になったのです。
この超高金利通貨の中でも、近年スワップポイント狙いで最も注目を集めている外貨なんですよ。
トルコリラ(TRY)
トルコリラ(トルコ共和国の通貨)の政策金利は、なんと8.00%!「どこかの国の消費税と間違えてませんか?」って話ですよね。
FXの取引画面では、「TRY」と表記されています。
トルコはG20メンバーの新興経済国ではあるのですが、赤字の慢性化やインフレ率の高さによって度々経済危機を引き起こしています。
近年ではアメリカとの関係悪化が懸念されており、2017年10月には史上最安値である1トルコリラ=27.93円まで下落しました。
2018年3月現在も、最安値圏をウロウロ推移しています。
トルコリラに関しては以下の記事で詳しく解説をしています。
-
【トルコリラ/円が熱い】8~24%の金利で儲ける外貨預金
日本円の金利は0.1%、トルコリラの金利は8%もあります。その差は80倍です。つまりトルコで預金をすると毎年8%の高い金利を貰えます。例えば100万円を預金した場合、日本円だと1年後に1,000円の利息ですが、トルコリラだと8万円の利息が貰えます。外貨預金とは日本にいながら海外の通貨を買って、海外の高い金利で利息を貰う事です。
メキシコペソ(MXN)
高金利通貨としては南アフリカランドやトルコリラの方が知名度が高いのですが、メキシコペソ(メキシコ共和国の通貨)も7.50%と超高金利!
FXの取引画面では「MXN」と表記されていますが、取り扱っているFX会社が限られているのでも見かけたことがないかもしれません。
アメリカとの関係性が悪化していることもあり、近年ジワジワ値下がり中。
しかし、S&Pグローバル・レーティング(アメリカの格付け会社)は、メキシコの信用性をBBB+(安定的)と格付けしています。
これは、上記の南アフリカランドやトルコリラよりも高い値なんですよ。
メキシコペソについて詳しく知りたい場合は、こちらのYouTube動画が分かりやすくてオススメです。ソニーフィナンシャルホールディングスの為替アナリストの方が、メキシコペソ円の為替動向について解説してくれています。12分37秒の動画です。
メキシコペソに興味を持った方は以下の記事も参考にしてみてください。
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メキシコペソで22万円の利息収入!俺の人生も見通し明るいぜ
メキシコペソ(MXN)は、FXで人気上昇中の通貨。2018年2月に利上げされ、政策金利7.50%に!10万円を用意した場合、年間でなんと22万円以上のスワップポイントが得られるのです!これまでの為替レートの動きを見ていると「メキシコペソ=触った瞬間に大ヤケド」みたいな印象ですが、実はメキシコの信用格付けは南アフリカやトルコより格上なのです。S&Pはメキシコの信用格付けをBBB+(安定的)へと引き上げています。また、野村證券は対円のレンジを「5.7~6.5円」で推移すると予想しています。
高金利!スワップポイント狙いで根強い人気の外貨TOP2

NZドル(NZD)
ニュージーランドの通貨、通称NZドル(NZD)。冒頭でのシミュレーションにもあったように、政策金利は1.75%です。
先進国の通貨の中で最も高金利なため、スワップポイント狙いで人気の通貨なんですよ。
歴史的に見ても、一定の高金利を保ち続けていることで有名!
オーストラリアと地理的に近く、輸出入先ともにオーストラリアが約2割を占めています。
そのため、このあと紹介する豪ドルと連動して値動きすることが多いのも特徴です。
豪ドル(AUD)
オーストラリアの通貨、豪ドル(AUD)。昔からスワップポイント狙いで人気なのですが、2018年2月現在の政策金利は米ドルと同じ1.50%です。
約10年前の2008年は政策金利7.25%だったのですが、年々下降し続けています。
たとえ1.50%でも、日本の15倍!金利差はかなりありますね。
そして、オーストラリアの信用格付けはAAA(安定的)と最高位!新興国通貨よりも信頼感があります。
FX初心者でもスワップポイントで簡単に儲けられる?


例えば、超高金利通貨として紹介した南アフリカランド(ZAR)。
2015年は1南アフリカランド=9〜10円台を推移していましたが、2016年6月に1南アフリカランド=6.3円まで大暴落しました。
証拠金(FX口座に入っているお金)が少なくなって強制ロスカットを受け、大きな損失を出してしまった人も多かったです。
もしスワップポイントを狙う場合は、その国の経済状況などもチェックしてからにしましょうね。
よく2ch(2ちゃんねる)やYouTubeなどで「初心者でもボロ儲けしました!」なんて話も耳にしますが、実際は大きなリスクも伴っているのです。
スワップポイントの利益で生活できる?!


スワップポイントで生活するにはどれだけの資金が必要か?
スワップポイントの利益だけで生活するにはどれだけの資金が必要なのか?
超高金利(6.75%)の南アフリカランドを例に考えてみましょう。
まず、日本円を売って南アフリカランドを買った場合、年間で付く金利は以下の通りです。
南アフリカランドで付く金利
6.75%(南アフリカの金利) – 0.10%(日本の金利) = 6.65%(1年間で付く金利)
もしこの金利差がそのまま受け取れると仮定して、年間500万円の金利にするにはどれだけの資金が必要なのかを計算してみました。
レバレッジを3倍に設定したとすると、以下のような計算になります。
年間500万円の金利にするには
500万円(1年間で付く金利) ÷ 19.95%(レバレッジ3倍) = 25,062,656円(必要な資金)
年間500万円の金利にするにはレバレッジ3倍でも2,500万円以上の資金が必要となります。
FXの為替差益でめちゃくちゃ儲けてその資金を回すこともできなくもなさそうです。が、大暴落のリスクなどを考えるとそのままFXの為替差益でめちゃくちゃ儲け続けた方が良さそうな気がします。
ただ、レバレッジ3倍で年間19.95%の利回りが実現できるのはかなり魅力的です。
日本の銀行に預けていれば絶対に安心!というわけでもありませんしね。
スワップポイント狙いの場合はレバレッジは3倍までに抑えよう
「もっとレバレッジをかけたらいいんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、スワップポイント狙いの場合はなるべくレバレッジを下げておくのが基本!
特に値動きの激しい新興国通貨の場合、レバレッジは3倍までに抑えておくのがオススメですよ。
でないと万が一大暴落が起きた場合、それこそ2016年6月の南アフリカランドのような地獄を見ることになってしまいます。
他にもスワップポイントを狙う場合、注意点が2つあります。
気をつけよう!スワップポイントの2つの注意点
高金利通貨を売って低金利通貨を買うと支払いが発生する
「スワップポイントは必ずもらえる金利のようなもの」と考えるのはキケンです。
なぜなら、スワップポイントはあくまで金利差を調整するためのものなので、もらえる一方ではなく、逆に支払うこともあるからです。
スワップポイントがプラス(利益)としてもらえるのは、日本円などの低金利通貨で高金利通貨を買った場合です。
例えば高金利通貨を売って低金利通貨を買ってしまうと、今度は毎日スワップポイントを支払うことになります。
もし自動的にレバレッジが25倍に設定している状態で、高金利通貨を売って低金利通貨を買ってしまうと年利25%のスワップポイントをマイナス(損失)として支払うという悲劇を体験するかもしれません。
スワップポイントの計算は毎日の取引終了の時点(業者によって時間は異なります)で確定します。なので、高金利通貨を売って低金利通貨を買ってしまっても、取引終了までに低金利通貨を売って高金利通貨を買い直せばスワップポイントのマイナス分(損失)を支払わずに済みます
スワップポイントの金額はFX会社によって異なる
また、2国間の金利差はそのまま受け取れるわけではなく、受け取れるスワップポイントの金額はFX会社によって異なります。
例えば、こちらは大手FX会社のスワップポイントを比較した表です。
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スワップポイント狙いの場合は手数料(スプレッド)が低いだけでなく、GMOクリック証券などなるべく受け取れるスワップポイントが高いところを選ぶのがオススメですよ。
受け取れるスワップポイントは日々変動していきますので、リアルタイムな情報は各FX会社の公式ホームページでチェックしてみてくださいね。
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