
「海外のFX業者を利用した場合、確定申告は必要なのかな?」
「税率は国内FXとは違うの?」
なら今回は海外FXの税金について、勉強してみましょう。

結論
- 海外FXを利用していても、国内に住んでいるのなら確定申告が必要
- 海外FXの利益は累進課税が適用
- 確定申告の仕方
- 脱税は必ずバレるので絶対にやめよう
この記事を読めば上記のことを理解できます。
まずは海外FXにおける税金の基本情報から見ていきましょう!
海外FXの税金は支払う必要がある?
海外のFX口座を利用している場合でも、必要に応じて確定申告をしなければなりません。
海外FXで利益を出したとしても、日本国内に住んでいる限りは、納税義務があるんです。
居住している国の所得税が発生するので、日本に住んでいるなら日本の税金が発生します。
もし海外に移住した場合は、移住した国の税制に従って納税する必要があります。
日本在住の場合
日本に住んでいるのなら、日本の税制に従わなければなりません。
所得税法では、所得税の納税義務者を居住者、非居住者、国内法人、外国法人の4つのグループに分けてそれぞれ納税義務を定めています。
居住者とは、日本国内に住所がある、または現在まで引き続き1年以上居所がある個人のことです。
つまり日本に住んでいるのなら、たとえ海外で所得が発生しても、その所得に課税されることを意味します。
海外在住の場合
日本に住んでいないのなら、日本に納税する必要はありません。
非居住者になるので、日本の税制は適用されないからです。
海外に移住した場合、その移住先である国の税制に従う必要があります。
そのため億単位を稼ぐようなトレーダーの中には、税金が安い国へ移住する人も多くいます。
ココに注意!
しかし、あきらかに税金逃れが目的と判断された場合には、居住者とされてしまう可能性があるので注意してください。
国内と海外のFXの税金の違い
国内業者と海外業者では、税金が異なります。
なぜなら、課税方法や税率が違うからです。
そのため税金の計算の仕方も違うので、確定申告を行うときの申告書の書き方も注意が必要です。
国内と海外では、基本的に下記の表にある違いがあります。
国内と海外 税金の違い | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
納税義務が発生する所得 | 年間20万円以上 (給与所得者) 年間38万円以上 (非給与所得者) | 年間20万円以上 (給与所得者) 年間38万円以上 (非給与所得者) |
所得区分 | 雑所得 | 雑所得 |
課税方法 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率 | 15%~55% (所得税+住民税) | 一律20.315% (所得税+住民税+復興特別所得税) |
損益通算 | 総合課税の雑所得同士 | 申告分離課税の雑所得同士 |
繰越控除 | 不可 | 可(個人で3年間・法人で9年間) |
海外は総合課税
海外FXでは、利益が高くなるにつれて税率も上がっていきます。
海外FXによる所得は総合課税となり、超過累進課税率が適用されるためです。
所得税と住民税を合わせて、15%から最大55%の税率になります。
所得金額 | 税率(総合課税+住民税10%) | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 15% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 20% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 30% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 33% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 43% | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万円以下 | 50% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 55% | 4,796,000円 |
ココに注意
納税の際は復興特別所得税2.1%が加算されます。
国内は申告分離課税
国内FXでは、どれだけ利益を上げても税率は一律20.315%です。
所得は申告分離課税となり、先物取引に係る雑所得に分類されます。
そのため公的年金やその他の所得(給与所得等)とは区分して課税されます。
たとえば会社員で給与所得がある場合、FXで利益が出たら年末調整とは別に、自分で確定申告を行う必要があります。
国内FXの税金について詳しく知りたい方は、下記の記事をチェック!⇩
-
【FXの税金】現役税理士が教える!10倍得する確定申告の仕方
海外のFX口座でも国内在住なら確定申告が必要
海外FXを利用していても日本に住んでいるのなら、納税義務が発生するので確定申告をしなければなりません。
海外のFX会社は金融庁認可を受けていませんが、利益が出た場合は差金決済の扱いになり、雑所得として累進課税の対象となります。
課税対象なのに申告をせずにいると、悪質な所得隠しとみなされてしまうことがあります。
そのため海外業者を利用している場合でも、日本に住んでいるのなら確定申告を忘れないようにしましょう。
確定申告の仕方
今回は、国税庁のHPからウェブ上で確定申告書を作成する方法を紹介します。
step
1国税庁のHPにアクセス、「作成開始」を選択
step
2「印字して書面提出する」を選択、事前確認を行う
事前確認を終えたら、「利用規約に同意して次へ」に進みます。
step
3「所得税」を選択、「左記以外の所得のある方」で作成開始
step
4生年月日を入力
step
5「給与所得」、「雑所得」を入力
まずは給与所得のある方は、給与所得を記入しましょう。
各項目を必要に応じて記入していきます。
給与所得が一通り記入出来たら、今度は雑所得の「その他」を記入します。
雑(その他)所得の入力では、「上記以外」を選択します。
続いて、FX会社ごとに項目を埋めていきます。
step
6所得控除、税額控除・その他の項目を入力
計算された所得控除が表示されるので、確認し問題なければ次へ移ります。
税額控除も問題ないか確認しましょう。
step
7計算結果を確認する
計算結果が表示されるので、修正箇所があれば直しましょう。
step
8住民税等の入力
「住民税・事業税に関する事項」をクリックします。
次に、必要事項をすべて記入しましょう。
step
9住所・氏名・マイナンバーなどを入力
氏名・性別・職業・屋号・世帯主の氏名を記入します。
次に、納税地・郵便番号・住所・提出先税務署・提出年月日等を記入しましょう。
最後にマイナンバーを記入し、申告書の作成完了です!
海外FXの税金対策
資金効率をよくするためにも、税金対策は重要です。
上手に税金を節約することで、投資資金をなるべく多く残すようにしましょう。
FXの税金を節約するうえで非常に有効なのが、経費の計上です。
FXでは国内・海外を問わず、「1年間に得た利益から必要経費を引いた金額」が課税対象となります。
経費になるもの一覧
- 電話代、インターネット代(プロバイダー料金)
- 書籍代、新聞代、資料代(一般の新聞はNG。為替に関連する新聞)
- 筆記用具、消耗品、プリンター、インク代(100,000円未満の物品の取得費)
- FXに関連するセミナーの参加費用
- 交通費(電車、バス、タクシー)FXのセミナーなどに出席する為のもの
- 宿泊費
- 飲食代などの交際費
- 家賃や光熱費
- 借金の利息
- 取引手数料
- FXのソフト(EA:自動売買プログラム)・VPS(レンタルサーバー)
- パソコンのモニターや机代
- パソコン代金(減価償却費)
経費計上の注意点
経費として認められるには、証明書類が必要です。
そのため領収書などは確定申告まで大切に保管しておきましょう。
経費について詳しく知りたい方は、下記の記事をチェック!⇩
-
【FXの経費にできるもの一覧】2021年申告版!税理士が教える節税
海外FXの税金計算方法
海外FXの納税額は、次の計算式で算出できます。
【勤務先の年収+海外FXの利益-経費=個人所得】
また、給与所得を得ていない専業トレーダーの場合は、「勤務先の年収」は計算に入れません。
海外FXの納税額 計算例
給与所得がある場合
- 勤務先の年収:400万円
- 海外FXの利益(年間):100万円
- 経費:20万円
【400万円+100万円-20万円=480万円(所得金額)】
【(480万円×税率30%-控除額427,500円)+復興特別所得税2.1%=1,033,762円(納税額)】
給与所得がない場合
- 勤務先の年収:なし
- 海外FXの利益(年間):200万円
- 経費:30万円
【200万円-30万円=170万円(所得金額)】
【(170万円×税率15%)+復興特別所得税2.1%=260,355円(納税額)】
海外FXでは損失繰り越しができない
海外FXでは、損失の繰越控除が認められていません。
繰越控除が適用されるのは、国内のFX会社を利用した場合のみとなっています。
そのため海外FXでは、たとえ前年がマイナスでも利益を出した年はそのまま利益に応じた税金がかかるんです。
国内と海外の損益通算もできない
国内FXと海外FXの損益通算もできません。
なぜなら、損益通算ができるのは同じ総合課税の対象となる所得同士だからです。
国内FXは申告分離課税となおり種類が異なるため、損益通算ができないんです。
また、総合課税の雑所得に分類されるのは海外FXだけではなく、以下のものもあります。
海外FXと損益通算できるもの
- アフィリエイト収入
- 原稿料・講演料・印税
- ネットオークションの売上
- 公的年金
脱税は絶対にバレる!
海外FXを利用していても、国内に住んでいるのなら無申告は絶対にやめましょう。
もし脱税が発覚してしまうと、最悪の場合、逮捕・起訴されてしまいます。
脱税が発覚した場合の罰則
- 通常の税金+延滞税
- 無申告加算税15%
- 重加算税35%
- 懲役
税務署の管理は厳しく行われており、「申告しなくてもバレない」ということはありません。
納税は国民の義務ですので、利益が出たら必ず確定申告をしましょう。
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海外FXの税金 まとめ
- 海外FXでも国内に住んでいるのなら確定申告が必要
- 海外FXは累進課税となり、利益が上がるほど税率も大きくなる
- 脱税行為は絶対にやめよう
上記にある「国内と海外のFXの税金の違い」を理解すれば、海外FXにどういう税金がかかるのかが分かります。
また「確定申告の仕方」、「海外FXの税金対策」を実践すれば、スムーズに納税できますよ。
ぜひ、あなたの資産運用の参考にしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。